モスクワ近郊の調査研究所にて“MARS 500”と呼ばれる火星探査のためのシミュレーションが行われました。欧州宇宙機関（ESA）、ロシア連邦宇宙局、ガガーリン宇宙訓練センターそしてモスクワ郊外コロリョフのミッション管制センターが厳密な検査手順を踏んで、ミッションに適した候補者が選定されました。2名のヨーロッパ人と4名のロシア人が宇宙船内を模して作られた人工的な生活環境において105日間にわたり生活を共にしました。貯蔵室、グリーンハウス、研究エリアおよび火星への出口を想定したデッキは技術的設備の一部です。そして、“MARS 500”ミッションのオフィシャルウォッチとしてクルーに装備されているスイスの時計ブランドフォルティスの機械式腕時計により正確に時が刻まれたのです。6名のクルーは、テストのためそれぞれ異なる種類のフォルティスの腕時計を装備。地球との交信は、ロシア医学生物学研究所と40年にわたり宇宙飛行を支えてきた経験のあるコロリョフのミッション管制センターにより遂行されました。

ロシア医学生物学研究所の科学者は、人間をテストし彼らの限界に挑戦するというスリリングな職務に直面しました。様々な自然の力による突然のトラブルや生命の維持に不可欠なインフラシステムの故障は、宇宙へのフライトにおける想定外の現象としてシミュレーションされました。多くの実験に加え、テストされる人間はこのような厳しい環境における医学的、心理的効果にパスしなければなりません。このミッションは、勇気、創造性、持続性を培い、その結果は2030年に予定されている火星へのフライトの基礎を築くでしょう。

MARS 500 PART Ⅰの試験的ミッションの概要

日　　程 ：　　2009年3月31日から7月14日まで
期　　間 ：　　105日
ク ル ー：　　6名(5,600名の候補者から欧州宇宙機関ESAにより選抜)
ロシア宇宙飛行士　オレグ・アルテミエフ
ロシア宇宙飛行士　セルゲイ・ラザンスキー
ロシア人医師　アレクセイ・バラノフ
ロシア人運動生理学者　アレクセイ・シュパコフ
ドイツ軍技術者　オリバー・ニッケル
エアフランス　パイロット　シリル・フルニエ
装 備 品： 　B-42コスモノート　デイデイト　チタニウム　MARS 500 リミテッド